95年8月の戸倉谷
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| 台高・中奥川・戸倉谷と本流 | ||
| 新人さんの入会ラッシュは続いているのだが、さすがに連チャンでそこらの谷 に行くのではこちらがしんどい。この週末は久しぶりに家で過ごそうと思ってい たら、木曜に十時さんから電話がかかってきた。 「この週末にしごいてくれませ んか」というのだ。 先々週に中ノ川で冷たくした私の思いを理解してくれた訳だ。それでは火を付 けたほうから断ることはできない。どこに行こうかと考えるが、結局、中奥の戸 倉谷にする。ほんたびさんから指摘された釣り橋の有無も気になっていたし、な にしろトレーニングには絶好の谷なのである。しかし、この谷に行くのはすでに 5回目。 (^^; 8月4日夜、十時さんの車で中奥へ。以前に釣り橋のあった(昨年の秋には、 確かにあったのである)場所にきて呆然とする。流れはすべて埋まっていて、ま ったく以前の面影はない。河原も、以前の砂と小砂利の快適なものではなくなっ ていて、下の砂防堰堤は満杯である。とりあえず、酒盛りしてテントを張って眠 る。 8月5日。しごくといっても体力の問題ではないので、ゆっくりと日頃の寝不 足を取り戻して8時過ぎに起きる。アブがうるさいので朝飯は抜きで、支度をし て戸倉谷に入る。しかし、水が少なすぎる。小滝を二つ越えて、ほんたびさんが 落ちた滝の高巻き地点にでる。ここは、高巻きも本当に悪い所であったのだが、 なぜか高巻きのルートが良く踏まれている。このシーズンにかなりの遡行者があ ったようだ。この滝の右岸の岩稜は直登できないこともないのだが今回はパス。 この上の左折地点で泳ぎ、これに続くトヨ状の連瀑は悪くなった所で右岸を巻 く。その上に、20mほどの滝。ここで、ハーケンの信頼度とか、どんなビレイ がどんな場所で適合的かとか、一応のメンタル・トレーニングをする。この滝は 見た目が悪い割には容易に登れるので、トップをやる人間にはオイシイ所だ。 そこを、トップロープで十時さんに登ってもらおうと思い、とりあえず私が登 るが、以前に打っておいたランニング用のハーケンが全部抜かれている。かとい って、いまさら打ち直す気もせず、ようやく15mほど登ったところでナッツで プロテクションを取って登りきる。 ザイル・ピッチで25mほどになってしまったので、懸垂で降りて十時さんを 登らせる計画は無理となった。十時さんに後続してもらい、先へ進む。この上で 35mほどの滝(長さです)。ここは、左岸に入る支流の滝を登って高巻くルー トと滝の中央を瀑水を浴びてトラバるルートがあるのだが、水量が少ないことも あって、滝をトラバってから右岸を巻く。この辺りの巻き道も以前と比べると判 然としていて、この谷への入渓者が相当に増えていることを思わせる。 この上のスラブは、なかなかに気持ちの良い所だが、上部で落ちれば40mは 止まらない恐い所でもある。しかし気合いの入っている十時さんは、あっという 間に登りきってしまう。このスラブの終点に立つ滝は難しいので、左岸を4ピッ チほど巻く。ザイルワークのトレーニングである。ときどき、無警告でザイルを 思いきり引っ張る。初めのうちはザイルがどんどん出てきたりしてレッド・カー ドであるが、だんだんとザイルを通じて相手の動作が判るような捌き方になって きた。マル。 釣り橋の下で昼食をとり、下山。この下りは梯子の痛みがひどいので本当に恐 い。 車の所に戻って着替えようとしたら、「あと、泳ぎのトレーニングもしたいの ですが」と言う。うみゅ、完全に火を付けてしまったのだ。 大鯛林道が本流を横切るところまで車で戻り、泳ぎのトレーニングである。落 ち込みの渦のあるところを、念のためザイルを付けて泳いでもらう。 「釜のへりは流れが逆流してるんですね」と言われてこちらがびっくり仰天す る。十時さんは、渓流釣り歴20年のはずである。こちらは「そんなこと、あれ だけ釣りしてて今まで気付かんかったんか」と言うが、本人は「釣りのときは、 目印を見てるだけ」とオソロシイことを言う。落ち葉を流して、水の流れの読み 方を解説。反流して渦に引き込まれる落ち葉を見て、「あれが黒部のときの俺な のか」と十時さんがポツリ。そう言えば、黒部で十時さんは渦に引き込まれそう になったのだった。そのとき、十時さんは私からみるとなんであんなとこへ向か って泳ぐんだろうと思ったのだが、水の流れを読まずに最短距離を泳ごうとして いたようだ。 たっぷりと遊んで、帰宅。ついに5週連続の沢遊びである。 |
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| (95年8月6日 記) | ||